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如来

大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)とはどんな仏か|見分け方とご利益

大通智勝如来  / ダイツウチショウニョライ

救済 法華・天台

十六人の王子を持ち、その末子が釈迦になったと『法華経』が説く過去の仏。

大通智勝如来とはどんな仏か

大通智勝如来をひとことで言えば釈迦の遠い祖先にあたる仏です。『法華経』の化城喩品に説かれます。

まず語られるのは、待つ時間の長さです。道場に座ってから教えが現れるまでに十小劫という途方もない時が過ぎたと説かれます。悟りに至るまでの尺度が、人の一生とはまるで違うことを示す場面です。

出家する前に十六人の王子がいたとされます。王子たちはみな出家し、それぞれが仏になったと説かれます。そのうちの一人が阿弥陀如来、末の一人が釈迦牟尼仏だとされます。

釈迦と阿弥陀を兄弟の関係で結びつけるという、ほかにあまり例のない筋立てになっています。

大通智勝如来の読み方と梵名

読みは「だいつうちしょうにょらい」です。「だいつうちかつ」とは読みません。

名は、大いに通じ、すぐれた智慧を持つという意味に解かれます。妨げなく通じることを「大通」、まさった智慧を「智勝」と表しています。

十六人の王子は十六王子と呼ばれ、経典では一人ずつ名が挙げられています。

大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)

もっとも広く使われる形。

大通智勝仏(だいつうちしょうぶつ)

経典に多い形。

大通仏(だいつうぶつ)

短く呼ぶ形。

大通智勝如来の見分け方(印相・持ち物・姿)

像として作られることがほとんどありません。 『法華経』を読み解くときに名の出る仏です。

姿 ─ 如来の決まりどおり

表される場合は如来の決まりに従います。螺髪をいただき、衣一枚をまとい、持ち物は持ちません。

この仏だけの目印になる持ち物や手の形はありません。

体の色や方角の割り当てもありません。名の札が無ければ、ほかの如来と区別できません。

化城喩品 ─ 仮の城の話

この仏が説かれる章は、化城喩品といいます。長い旅に疲れた一行のために、導き手が仮の城を出して休ませ、また歩き出させるという譬えが説かれます。

仮の城とは、途中で示される小さな悟りのことだとされます。 本当の行き先はさらに先にあるという教えです。

大通智勝如来の話は、この譬えの前置きとして置かれています。

十六王子 ─ 釈迦と阿弥陀の関係

十六人の王子はみな出家し、それぞれが仏になったとされます。

第九子が阿弥陀如来、第十六子が釈迦牟尼仏だとする説が広く行われています。釈迦と阿弥陀を兄弟として結びつけるという、めずらしい筋立てです。

浄土の教えと法華の教えをつなぐ手がかりとして、この一節が引かれることがあります。

なぜ像が少ないのか

日本でこの仏だけを本尊とする堂は、ほとんど育ちませんでした。

理由は、役どころが経典の物語のなかに閉じていることです。願いを聞き届ける仏ではなく、教えの由来を語るために置かれた仏だからです。

そのため彫像はほとんど残らず、名は講義と絵解きのなかに残っています。

大通智勝如来のご利益

長く待つ力

十小劫のあいだ座りつづけたと説かれることによる。

学びが実る

十六人の王子がみな仏になったと説かれることによる。

道すじが分かる

化城の譬えが行き先を示すことによる。

大通智勝如来に会える寺

大通智勝如来だけを安置する堂は、日本では確かめられませんでした。

文化庁の国指定文化財等データベースでも、この名を持つ国指定の彫刻は確かめられませんでした。

名は『法華経』の講義と、経を絵解きした図のなかに残っています。 天台や法華の教えを説く寺で、話として聞くことになる仏です。

大通智勝如来をめぐる仏のつながり

化身・同じ経典 三尊・脇侍・眷属 対になる仏 混同・見分け

大通智勝如来の位階と、似た仏との違い

大通智勝如来は如来の位に置かれます。釈迦より前の世に現れた仏とされます。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。大通智勝如来は最上位の如来にあたります。

過去七仏には数えられません。『法華経』が独自に立てた、別の系統の過去仏です。

釈迦如来 ─ 十六番目の王子

『法華経』の説くところでは、大通智勝如来の第十六子が釈迦牟尼仏です。

父と子の関係で結ばれています。 釈迦の由来をさかのぼる話として語られます。

阿弥陀如来 ─ 同じく王子のひとり

十六人の王子のうち、第九子が阿弥陀如来だとする説が広く行われています。

釈迦と阿弥陀が兄弟にあたるという、ほかにあまり例のない結びつけ方です。

多宝如来 ─ どちらも法華経の仏

どちらも『法華経』に説かれる過去の仏です。多宝如来は塔の中から現れ、釈迦の説を証しします。

多宝如来は像として作られますが、大通智勝如来はほとんど作られません。 役どころの違いが、そのまま作例の差になっています。

大通智勝如来についてよくある質問

大通智勝如来とはどんな仏ですか。

『法華経』の化城喩品に説かれる過去の仏です。出家前に十六人の王子がおり、その末子が釈迦になったと説かれます。

十小劫とは何ですか。

途方もなく長い時間を表す言い方です。この仏が道場に座ってから教えが現れるまでに、それだけの時が過ぎたと説かれます。

釈迦や阿弥陀とはどんな関係ですか。

十六人の王子のうち、第九子が阿弥陀如来、第十六子が釈迦牟尼仏だとする説が広く行われています。

化城の譬えとは何ですか。

旅に疲れた一行のために導き手が仮の城を出して休ませ、また歩き出させるという譬えです。仮の城は途中の小さな悟りを指すとされます。

大通智勝如来の像はどこで見られますか。

文化庁の国指定文化財等データベースでも、この名を持つ国指定の彫刻は確かめられませんでした。

大通智勝如来と併せて覚えたい言葉・用語

化城喩品(けじょうゆほん)

『法華経』の一章。仮の城の譬えを説く。

小劫(しょうこう)

劫を細かく区切った時間の単位。

十六王子(じゅうろくおうじ)

大通智勝如来の出家前の子とされる十六人。