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明王

五色不動(ごしきふどう)|目黒・目白・目赤・目青・目黄とはどんな仏か|見分け方とご利益

五色不動尊  / ゴシキフドウ

守護忿怒 密教

江戸の不動尊を五つの色の名で呼び分けたもの。目黒・目白などの地名の由来。

五色不動とはどんな仏か

五色不動をひとことで言えば色の名で呼び分けた五つの不動尊です。目黒・目白・目赤・目青・目黄の五つを指し、おもに江戸、いまの東京のものをいいます。

色の割り当ては、東洋で古くから使われてきた五つの色にもとづきます。青・赤・黄・白・黒の五色を方角や季節に当てはめる考え方で、五体の不動明王をその五色に割りふった形です。

三代将軍徳川家光が、僧の天海のすすめによって江戸を守るために定めたという言い伝えがあります。ただし研究では、「五色不動」という呼び名が現れるのは明治の終わりか大正の初めごろとされ、江戸時代からの事実ではないとみられています。

江戸時代に知られていたのは、目黒・目白・目赤の三つだけでした。 五つに数えそろえたのは、かなり後のことになります。

五色不動の読み方と梵名

読みは「ごしきふどう」です。

「目黒」「目白」は、いまでは東京の地名として知られています。不動尊の呼び名が先にあり、そこから土地の名になったという説明が広く行われてきました。

ただし地名の起こりには別の説もあり、決着していません。仏の呼び名と土地の名のどちらが先かは、慎重に扱う必要があります。

五色不動(ごしきふどう)

もっとも広く使われる形。

五色不動尊(ごしきふどうそん)

尊を添えた形。

江戸五色不動(えどごしきふどう)

土地を添えた言い方。

三不動(さんふどう)

江戸時代に知られていた三つを指す古い呼び方。

五色不動の見分け方(印相・持ち物・姿)

像の姿ではなく、堂につけられた色の名で分かれます。 五体の姿に違いはありません。

姿 ─ 不動明王の決まりどおり

五体とも不動明王です。右手に剣、左手に縄を持ち、背に火焔を負い、岩の座に座るか立ちます。

色の名がついていても、像が五色に塗り分けられているわけではありません。

目の色を彫り分けたとする説明も行われますが、五体すべてでそうなっているとはかぎりません。

色 ─ 五行の五色

青・赤・黄・白・黒の五色は、方角や季節に当てはめて使われてきた組み合わせです。

東が青、南が赤、中央が黄、西が白、北が黒とされます。五体の堂を江戸の周りに配して都を守らせるという発想が、この割り当てにもとづくと説明されてきました。

ただし実際の堂の位置が、この方角どおりに並んでいるわけではありません。

成り立ち ─ 三つから五つへ

江戸時代に知られていたのは、目黒・目白・目赤の三つでした。これを三不動と呼びます。

「五色不動」という呼び名が現れるのは明治の終わりか大正の初めごろとされ、後からまとめられた呼び方とみられています。

目黄と呼ばれる堂は二か所あるとされ、五つに数えそろえる過程で加えられたと考えられています。

徳川家光の伝え

三代将軍徳川家光が、僧の天海のすすめによって五つの堂を定めたという言い伝えがあります。

江戸を守り、天下を穏やかにするための備えだったとされます。

ただしこの伝えは、五色不動という呼び名の成立より後の資料に現れます。 事実として扱うことはできません。

五色不動のご利益

土地を守る

江戸の周りに配して都を守らせたという伝えによる。

目の健やかさ

「目」の字を含む呼び名にちなむ後世の見方による。

災いを断つ

不動明王が剣を持つことによる。

迷いを断つ

不動明王が縄で引き寄せるとされることによる。

五色不動に会える寺

五色不動の五つの堂それぞれについて、所在を確かめられませんでした。

五色不動は、五つの色の名で呼ばれる堂のまとまりを指す呼び方です。それぞれの堂の名と住所は、文化庁の国指定文化財等データベースと公式の情報で確かめられなかったため、ここには書きません。

目黄と呼ばれる堂は二か所あるとされ、どれを五つに数えるかにも揺れがあります。 巡るときは、それぞれの堂の公式の案内を確かめてください。

五色不動をめぐる仏のつながり

化身・同じ経典 三尊・脇侍・眷属 対になる仏 混同・見分け

五色不動の位階と、似た仏との違い

五色不動は五体とも不動明王ですので、明王の位に置かれます。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。明王は如来の命を受け、恐ろしい姿で人を導く役を負います。

不動明王はその明王の筆頭にあたります。五色不動という呼び名は位階ではなく、江戸という土地でまとめられた数え方です。

不動明王 ─ 五体とも同じ仏

五色不動は五体とも不動明王です。別の仏ではありません。

右手に剣、左手に縄という姿は五体とも共通します。 どの堂の不動明王かを言い分けるための呼び名です。

黄不動 ─ 色の名が重なる

どちらも色を名に持つ不動明王ですが、由来が別です。黄不動は全身を黄金色に描いた絵を指します。

五色不動の目黄とは、成り立ちがまったく違います。 色の字が同じだけです。

五大明王 ─ どちらも五体の組

どちらも五体をひとまとめに数えます。五大明王は不動・降三世・軍荼利・大威徳・金剛夜叉です。

五大明王は五体とも別の仏、五色不動は五体とも不動明王です。数え方の意味が違います。

五色不動についてよくある質問

五色不動とは何ですか。

江戸の不動尊を色の名で呼び分けたまとまりです。目黒・目白・目赤・目青・目黄の五つを指します。

徳川家光が定めたというのは本当ですか。

言い伝えとして残っていますが、確かめられていません。「五色不動」という呼び名が現れるのは明治の終わりか大正の初めごろとされます。

江戸時代にはいくつありましたか。

目黒・目白・目赤の三つが知られていました。三不動と呼ばれます。

像は五色に塗り分けられていますか。

いません。五体とも不動明王の決まりどおりの姿で、色の名は堂につけられた呼び名です。

目黒や目白という地名との関係は。

不動尊の呼び名が先にあり、そこから土地の名になったという説明が広く行われてきました。ただし別の説もあり、決着していません。

五色不動と併せて覚えたい言葉・用語

五行(ごぎょう)

木火土金水の五つで世を説く考え方。五色や方角と結びつく。

三不動(さんふどう)

江戸時代に知られていた目黒・目白・目赤の三つ。

火焔光背(かえんこうはい)

不動明王が背に負う炎の形の光背。

羂索(けんじゃく)

不動明王が左手に持つ縄。迷う者を引き寄せるとされる。