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明王

三十六童子(さんじゅうろくどうじ)|不動三十六童子とはどんな仏か|見分け方とご利益

不動三十六童子  / サンジュウロクドウジ

守護忿怒 密教

不動明王に付き従う三十六人の童子。矜迦羅と制吒迦を筆頭に数える。

三十六童子とはどんな仏か

三十六童子をひとことで言えば不動明王の三十六人の眷属です。眷属とは、主となる尊格に従う者たちを指します。

筆頭は矜迦羅童子と制吒迦童子です。この二人は不動明王の左右に立つ像として広く作られてきました。八大童子という数え方もあり、三十六はそれをさらに増やした形にあたります。

一人ずつに名があります。不動恵・光網勝・無垢光・智慧幢のように意味の分かる漢語の名と、質多羅・波羅波羅のように梵語の音を写した名が入りまじります。

三十六という数がいつ、どの経典で定まったのかは、はっきりしていません。 近畿や四国の霊場では、札所を三十六に分けて一人ずつ当てる形で受け継がれています。

三十六童子の読み方と梵名

読みは「さんじゅうろくどうじ」です。

「童子」は子どもの姿をした尊格を指します。年齢そのものより、主に仕える者という役どころを表す言葉です。

矜迦羅は「こんがら」、制吒迦は「せいたか」と読みます。どちらも梵語の音を漢字で写したもので、字の意味から読みを推し量ることはできません。

三十六童子(さんじゅうろくどうじ)

もっとも広く使われる形。

不動三十六童子(ふどうさんじゅうろくどうじ)

誰の眷属かを添えた形。

三十六使者(さんじゅうろくししゃ)

使いの者として呼ぶ形。

三十六童子の見分け方(印相・持ち物・姿)

子どもの姿で、不動明王のまわりに並びます。 一人ずつの見分けは容易ではありません。

姿 ─ 子どもの体つき

頭が大きく、体は小さく彫られます。髪を左右に束ねたり、頭を丸めたりと、髪型はさまざまです。

如来や菩薩のような装身具は着けません。 衣は簡素で、素足のことが多くあります。

手には剣・棒・蓮・経巻などを持ちますが、決まりは緩やかです。

筆頭の二人 ─ 矜迦羅と制吒迦

矜迦羅童子は柔和な顔でおとなしく、合掌して立ちます。制吒迦童子は反抗的な顔つきで、棒や金剛杵を持ちます。

この二人だけは姿がはっきり決まっており、不動明王の左右に立ちます。

三十六童子のうち、像で確実に見分けられるのはこの二人だけといってよい状態です。

名前 ─ 漢語と梵語が混じる

三十六の名を並べると、成り立ちの違いがすぐ分かります。

不動恵・光網勝・無垢光・智慧幢・召請光・大光明・小光明・仏守護・法守護・僧守護・金剛護・虚空護・虚空蔵・宝蔵護・吉祥妙・戒光慧・妙空蔵・普香王のように、意味の分かる漢語の名が多くを占めます。

一方で質多羅・波羅波羅・伊醯羅・阿婆羅底・持堅婆・利車毘・因陀羅・羅多羅・計子爾・善爾師・波利迦・烏婆計のように、梵語の音を写した名も並びます。

なぜ数がそろわないのか

三十六体そろって彫られた例は多くありません。一人ずつの姿の決まりが緩やかなためです。

数だけが先にあり、中身が後から埋められた組み合わせとみられています。名の一覧も資料によって字が揺れます。

そのため霊場では、札所を三十六に分けて一人ずつ当てるという形で受け継がれてきました。

三十六童子のご利益

身を守る

不動明王に従って行者を守るとされることによる。

子どもの健やかさ

童子の姿で表されることによる。

道中の安全

霊場を三十六に分けて巡る形で受け継がれたことによる。

災いを断つ

不動明王の眷属であることによる。

三十六童子に会える寺

三十六童子がそろって国の指定を受けた彫刻は、確かめられませんでした。

矜迦羅童子と制吒迦童子の二人は、不動明王の像に添えて数多く作られてきました。しかし三十六体そろった作例は多くありません。

近畿や四国には、三十六の札所に一人ずつ当てて巡る霊場があります。 それぞれの寺の名と住所は公式の情報を確かめられなかったため、ここには書きません。巡るときは、その霊場の公式の案内を確かめてください。

三十六童子をめぐる仏のつながり

化身・同じ経典 三尊・脇侍・眷属 対になる仏 混同・見分け

三十六童子の位階と、似た仏との違い

三十六童子は眷属にあたります。四つの位階のどれかに当てはめるのはむずかしい尊格です。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。三十六童子はそのどれにも収まりません。

主に仕える者たちを眷属といい、童子はその一種です。不動明王という明王に従うため、明王のまとまりのなかで語られてきました。

八大童子 ─ 数え方の違い

どちらも不動明王の童子です。八大童子は矜迦羅・制吒迦を含む八人を数えます。

八大童子のほうが姿の決まりがはっきりしており、像としてもよく作られます。 三十六童子はそれを増やした形です。

矜羯羅童子 ─ 三十六の筆頭

三十六童子の一人目にあたります。柔和な顔で合掌して立つ姿が決まっています。

単独の記事を立てられるほど作例が多いのは、三十六のうちこの二人だけです。

制多迦童子 ─ 三十六の二人目

三十六童子の二人目にあたります。反抗的な顔つきで棒や金剛杵を持ちます。

矜羯羅童子と対にして、不動明王の左右に立てるのが決まりに近い形です。

三十六童子についてよくある質問

三十六童子とは何ですか。

不動明王に付き従うとされる三十六人の童子です。矜迦羅童子と制吒迦童子を筆頭に数えます。

八大童子とは違うのですか。

数え方が違います。八大童子は矜迦羅・制吒迦を含む八人で、三十六童子はそれを増やした形にあたります。

一人ずつ見分けられますか。

ほとんど見分けられません。姿の決まりがはっきりしているのは矜迦羅童子と制吒迦童子の二人だけです。

どの経典に説かれていますか。

いつ、どの経典で三十六という数が定まったのかは、はっきりしていません。名の一覧も資料によって字が揺れます。

三十六童子の像はどこで見られますか。

三十六体そろって国の指定を受けた彫刻は確かめられませんでした。近畿や四国には三十六の札所を巡る霊場があります。

三十六童子と併せて覚えたい言葉・用語

眷属(けんぞく)

主となる尊格に従う者たち。

童子(どうじ)

子どもの姿をした尊格。主に仕える役どころを表す。

金剛杵(こんごうしょ)

密教の法具。両端がとがった短い棒の形をする。

札所(ふだしょ)

巡礼の道すじに定められた寺。