神通第一と呼ばれた弟子。お盆の由来になった話の主人公。
目連とはどんな仏か
目連をひとことで言えば神通第一の弟子です。舎利弗とは若いころからの友で、そろって釈迦の弟子になりました。
日本の暮らしにいちばん近いところで名が残っているのはお盆です。神通力で亡き母を探したところ、餓鬼の世界で飢えに苦しんでいるのが見えました。釈迦に教えを請い、夏の行を終えた僧たちに食べ物を供えることで母を救ったと伝えられます。
この話をもとにした行事が盂蘭盆会、いまのお盆です。年に一度、家に戻る先祖を迎える習わしの出どころが、この弟子の話にあります。
像は僧の姿で、舎利弗と対にして置かれます。単独で祀られることはほとんどありません。
目連の読み方と梵名
読みは「もくれん」です。「めれん」ではありません。
梵名マウドガリヤーヤナを音で写して「目犍連」とし、それを縮めて「目連」となりました。
盂蘭盆の語は、逆さ吊りの苦しみを意味する梵語を写したものとする説が知られますが、語源には別の説もあり、決着していません。
目連(もくれん)
もっとも広く使われる形。
目犍連(もっけんれん)
音を写した長い形。
摩訶目犍連(まかもっけんれん)
「摩訶」は大いなるという意味。
マウドガリヤーヤナ(Maudgalyayana)
意味は「一族の名」。バラモンの家系の名にちなむ。読みは「まうどがりやーやな」。
目連の見分け方(印相・持ち物・姿)
僧の姿で、舎利弗と左右一対。姿だけで二人を分ける目印はありません。
姿 ─ 頭を丸めた僧
頭を丸め、袈裟をまとって立ちます。装身具は着けません。
顔は舎利弗と同じく整えて彫られることが多く、年齢の差もはっきりとは付けられません。
手は合掌するか、経巻を持ちます。
位置 ─ 釈迦の向かって左
釈迦如来の両脇に配する場合、向かって左が目連とされることが多くあります。
ただし寺によって逆になる例もあります。台座や光背に名が記されていれば、それが確実です。
持ち物 ─ 神通を示すものは無い
神通第一と呼ばれますが、それを示す持ち物はありません。
錫杖を持つ作例がありますが、これは目連だけの目印ではありません。
「神通力を持つ弟子」を姿で表す決まりが作られなかった、ということ自体が、この像の特徴です。
目連のご利益
先祖の供養
盂蘭盆会の由来となったことによる。
亡き人を救う
母を餓鬼の世界から救ったという伝えによる。
孝行
母を思う話として語り継がれたことによる。
目連に会える寺
目連だけを祀る堂は、日本では確かめられませんでした。 十大弟子像の一員として会うことになります。
文化庁の国指定文化財等データベースでも、「目連」「目犍連」の名を持つ国指定の彫刻は見つかりません。
ただし、お盆の行事としてなら全国どこでも受け継がれています。 像に会えなくても、名の残り方はもっとも広い弟子といえます。
興福寺(こうふくじ)
国宝
天平時代の乾漆像です。残る六躯のうち一躯が目連と伝えられます。
文化庁の国指定文化財等データベースでは、名称は「乾漆十大弟子立像」でまとめられ、個々の名は記されていません。
所在地は寺の公式サイトで確かめた。
目連をめぐる仏のつながり
目連の位階と、似た仏との違い
目連は羅漢と高僧の組に置かれます。十大弟子の一人です。
仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。目連はそのどれにも属さず、悟りを得た弟子すなわち羅漢にあたります。
十大弟子のなかでは、舎利弗に次ぐ位置に置かれるのがふつうです。
舎利弗 ─ 左右一対で置かれる
若いころからの友で、像も対になります。
姿だけで二人を分ける目印はありません。 位置と名札で判じます。智慧第一が舎利弗、神通第一が目連です。
地蔵菩薩 ─ どちらも苦しむ者を救う
どちらも地獄や餓鬼の世界と結びつきます。地蔵菩薩は菩薩、目連は弟子です。
見分けは容易です。地蔵菩薩は錫杖と宝珠を持ち、頭を丸めていても袈裟の形が違います。目連は宝珠を持ちません。
目連についてよくある質問
目連とはどんな人ですか。
釈迦の弟子のうち神通第一と称された人物です。舎利弗とは若いころからの友で、そろって釈迦の弟子になりました。
目連の読み方は。
「もくれん」です。梵名マウドガリヤーヤナを音で写した「目犍連(もっけんれん)」を縮めた形です。
お盆とどう関係しますか。
餓鬼の世界で苦しむ母を救うため、釈迦の教えに従って僧たちに食べ物を供えたという話が、盂蘭盆会すなわちお盆の由来とされます。
目連の像はどこで見られますか。
単独で祀る堂は確かめられませんでした。奈良の興福寺の国宝の乾漆十大弟子立像など、十大弟子像の一員として会うことになります。
目連と併せて覚えたい言葉・用語
神通第一(じんずうだいいち)
十大弟子で目連に与えられた称。
盂蘭盆会(うらぼんえ)
先祖を迎える行事。目連の話に由来する。
餓鬼(がき)
飢えに苦しむ者の世界。六道のひとつ。