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羅漢と高僧

須菩提(しゅぼだい)とはどんな仏か|見分け方・ご利益・会える寺

須菩提尊者  / シュボダイ

救済 奈良仏教

解空第一と呼ばれた弟子。何ものにもとらわれない見方を得たとされる。

須菩提とはどんな仏か

須菩提をひとことで言えば空を解した弟子です。「空」すなわち、あらゆるものに固定した中身は無いという見方を、もっとも深く受け取ったとされます。

『金剛般若経』では、釈迦に問いを投げかける相手役をつとめます。舎利弗が『般若心経』の相手役であるのと同じ位置です。

托鉢に出るときは裕福な家を選んだと伝えられます。貧しい家を選んだ摩訶迦葉と対にして語られる逸話で、どちらが正しいとも決められていません。

像は十大弟子の一員として作られます。単独の作例はほとんど確かめられません。

須菩提の読み方と梵名

読みは「しゅぼだい」です。「すぼだい」ではありません。

梵名スブーティを音で写したものです。意味で訳すと「善現」「空生」などになります。

解空第一の「解空」は、空を解したという意味です。「空」は無いことではなく、決まった中身を持たないことを指します。

須菩提(しゅぼだい)

もっとも広く使われる形。

善現(ぜんげん)

意味で訳した形のひとつ。

空生(くうしょう)

生まれたとき蔵が空だったという伝えによる。

スブーティ(Subhuti)

意味は「よく現れたもの」。読みは「すぶーてぃ」。

須菩提の見分け方(印相・持ち物・姿)

僧の姿で、見分けの目印はありません。 名札で判じることになります。

姿 ─ 装身具の無い僧

頭を丸め、袈裟をまとって立ちます。冠も瓔珞も着けません。

手は合掌するか経巻を持ちます。武器も法具も持ちません。

年齢の彫り分けは作例によって違い、決まりはありません。

見分け ─ 名札に頼る

須菩提だけの目印になる持ち物はありません。

興福寺の乾漆十大弟子立像のうち一躯がこの人にあたるとされてきましたが、六躯しか残っていないため、どの像が誰かの伝えには揺れがあります。

堂の説明板や台座の名で判じるのが確実です。

並び ─ 十大弟子の一員

十躯そろった像のなかでは、中ほどに置かれることが多くあります。

十大弟子の並び順は経典によって違い、須菩提は三番目から五番目あたりに来るのがふつうです。

単独で本尊とされる例は確かめられませんでした。

須菩提のご利益

迷いを断つ

空の教えを解したことによる。

学びの成就

経典で問答の相手役をつとめることによる。

執着を離れる

とらわれない見方を得たとされることによる。

須菩提に会える寺

須菩提だけを祀る堂は、日本では確かめられませんでした。 文化庁の国指定文化財等データベースにも、この名を持つ国指定の彫刻はありません。

十躯そろった十大弟子像のなかで会うことになります。京都の大報恩寺、神奈川の極楽寺などです。

十躯そろっていない寺では、須菩提の像が失われている場合があります。

大報恩寺(だいほうおんじ)

重要文化財

地図で開く

大報恩寺の住所:京都府(文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確認。詳しい住所は公式の情報を確かめられませんでした)

像:木造十大弟子立像 十躯/重要文化財(うち一躯が須菩提)

この像に結び付く願い:学びの成就

十躯そろって伝わる数少ない例です。須菩提を含む十人が並びます。

文化庁の国指定文化財等データベースでは、所有者が大報恩寺と記されています。

千本釈迦堂の名で知られる寺。

須菩提をめぐる仏のつながり

須菩提の位階と、似た仏との違い

須菩提は羅漢と高僧の組に置かれます。十大弟子の一人です。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。須菩提はそのどれにも属さず、悟りを得た弟子すなわち羅漢にあたります。

十大弟子のなかでは、空の教えを受け持つ役として位置づけられます。

舎利弗 ─ どちらも経典の問答相手

舎利弗は『般若心経』、須菩提は『金剛般若経』で釈迦の問答相手をつとめます。

姿での見分けはできません。 名札や堂の説明で判じます。

摩訶迦葉 ─ 托鉢の逸話で対になる

托鉢で裕福な家を選んだ須菩提と、貧しい家を選んだ摩訶迦葉が対にして語られます。

見分けは顔です。摩訶迦葉は頬のこけた老僧に彫られますが、須菩提にはそうした決まりがありません。

龍樹 ─ どちらも空と結びつく

どちらも空の教えと結びつきます。龍樹は空を理屈で組み立てた僧、須菩提は釈迦から直に聞いた弟子です。

どちらも僧の姿で、姿での見分けはできません。並びの場所で判じます。

須菩提についてよくある質問

須菩提とはどんな人ですか。

釈迦の弟子のうち解空第一と称された人物です。あらゆるものに固定した中身は無いという見方を、もっとも深く受け取ったとされます。

須菩提の読み方は。

「しゅぼだい」です。梵名スブーティを音で写したもので、「善現」「空生」と訳されることもあります。

須菩提はどう見分けますか。

須菩提だけの目印はありません。頭を丸め袈裟をまとった僧の姿で、名札や堂の説明で判じることになります。

須菩提の像はどこで見られますか。

単独で祀る堂は確かめられませんでした。京都の大報恩寺の重要文化財の木造十大弟子立像など、十躯そろった像のなかで会えます。

須菩提と併せて覚えたい言葉・用語

解空第一(げくうだいいち)

十大弟子で須菩提に与えられた称。

金剛般若経(こんごうはんにゃきょう)

須菩提が問答の相手をつとめる経典。

托鉢(たくはつ)

鉢を持って食を乞い歩く行。