本文へ移動

菩薩

三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)|三十三身とはどんな仏か|見分け方とご利益

三十三応現身像  / サンジュウサンオウゲンシン

救済 法華・天台

相手に応じて三十三の姿に変わるという、観音のはたらき。

三十三応現身とはどんな仏か

三十三応現身をひとことで言えば観音の変わり身です。『法華経』観世音菩薩普門品に説かれます。

観音は、救う相手に応じて姿を変えて教えを説くとされます。仏の姿にもなり、僧の姿にもなり、王にも、童子にも、女性にもなります。相手が受け入れやすい形をとるということです。

数えられる姿は三十三で、仏身・声聞身・梵王身・帝釈身にはじまり、婦女身・童男童女身・執金剛身までが並びます。相手に合わせて形を変えるという考え方こそが、観音信仰がここまで広がった理由です。

西国三十三所や三十三間堂の「三十三」は、この数に由来するとされます。後の世に整えられた三十三観音とは、名も顔ぶれも別のものです。

三十三応現身の読み方と梵名

読みは「さんじゅうさんおうげんしん」です。「応現」は、相手に応じて現れることをいいます。

「普門」は、あらゆる方角に門が開いているという意味です。誰に対しても入口があることを表します。

三十三という数は、多いことのたとえとして選ばれたという見方が有力です。 一つ残らず数え上げるための数ではありません。

三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)

もっとも広く使われる形。

三十三身(さんじゅうさんしん)

短く呼ぶ形。

普門示現(ふもんじげん)

あまねく門を開いて現れるという意味。

観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)

この教えを説く法華経の章の名。

三十三応現身の見分け方(印相・持ち物・姿)

三十三体を並べて表すのが決まりです。観音そのものの姿は、そのうちの一つにすぎません。

顔ぶれ ─ 仏から童子まで

仏身・辟支仏身・声聞身にはじまり、梵王身・帝釈身・自在天身と続きます。

そのあと人の世に下り、王・長者・居士・宰官・婆羅門、僧と尼、在家の男女、そして童男童女身までが並びます。

位の高いものから低いものへ、順に降りていく並べ方になっています。

姿 ─ 観音の形をとらない

三十三の姿のほとんどは、観音らしい姿をしていません。武人にも、女性にも、子どもにもなります。

観音だと分かる目印を捨てることこそが、この教えの要点です。 相手が身構えない姿で現れるためです。

そのため、群像を見ても観音の変わり身だと気づきにくくなっています。

並べ方 ─ 堂の壁に連ねる

三十三体を彫って堂の壁沿いに連ねたり、絵にして掛けたりします。

一体では意味をなさず、三十三そろって初めて教えを表すという点が特徴です。

数がそろっているかどうかは、堂の説明板で確かめられます。

三十三応現身のご利益

救済

相手に応じて現れて救うとされることによる。

苦しみを除く

普門品が七つの難を除くと説くことによる。

縁を結ぶ

誰にでも入口が開いているとされることによる。

三十三応現身に会える寺

「三十三応現身」の名で国の指定を受けた彫刻は、確かめられませんでした。

文化庁の国指定文化財等データベースで探しても、この名を持つ国指定の彫刻は見つかりません。三十三体を彫った群像は各地にありますが、指定名称は「観音菩薩立像」などの形になっているためと考えられます。

数の由来としてなら、西国三十三所や三十三間堂という形で、いまも各地に残っています。 像を探すより、数の意味をたどるほうが手がかりを得やすいでしょう。

寺で会えるかどうかは、堂の説明を確かめてください。

三十三応現身をめぐる仏のつながり

化身・同じ経典 三尊・脇侍・眷属 対になる仏 混同・見分け

三十三応現身の位階と、似た仏との違い

三十三応現身は菩薩の位に置かれます。観音菩薩の現れ方を示したものです。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。三十三応現身は観音菩薩のはたらきですので、菩薩にあたります。

ただし、現れる姿のなかには仏身も天部も含まれます。位階をまたいで姿を変えるという点が、この教えのめずらしいところです。

三十三観音 ─ 数は同じ、中身が違う

どちらも三十三という数を持ちます。三十三観音は後の世に日本や中国で整えられた組で、楊柳観音や魚籃観音などが並びます。

三十三応現身は『法華経』に説かれるもので、顔ぶれがまったく違います。数が同じなので混同されやすい点に注意が要ります。

観音菩薩 ─ 本体と、その現れ方

三十三応現身は、観音菩薩が姿を変えたものです。別の尊格ではありません。

観音菩薩には別に記事があります。 本体としての観音と、その現れ方としての三十三身を分けて読むと、関係がはっきりします。

二十八部衆 ─ どちらも数で呼ばれる群像

どちらも堂に並べられる群像です。二十八部衆は千手観音を守る者たちで、守る側に立ちます。

三十三応現身は観音そのものが変わった姿ですので、立場が逆になります。

三十三応現身についてよくある質問

三十三応現身とは何ですか。

観音菩薩が、救う相手に応じて三十三の姿に変わって教えを説くという教えです。『法華経』観世音菩薩普門品に説かれます。

なぜ三十三なのですか。

多いことのたとえとして選ばれたという見方が有力です。一つ残らず数え上げるための数ではないとされます。

三十三観音と同じですか。

違います。三十三観音は後の世に日本や中国で整えられた別の組で、顔ぶれも出どころも異なります。

三十三間堂の名前と関係がありますか。

この数に由来するとされます。西国三十三所の「三十三」も同じです。

三十三応現身の像はどこで見られますか。

この名で国の指定を受けた彫刻は確かめられませんでした。三十三体を彫った群像は各地にありますが、指定名称は別の形になっています。

三十三応現身と併せて覚えたい言葉・用語

応現(おうげん)

相手に応じて姿を現すこと。

普門品(ふもんぼん)

観音のはたらきを説く法華経の章。観音経とも呼ぶ。

声聞(しょうもん)

教えを聞いて悟りを目指す者。