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羅漢と高僧

賓頭盧(びんずる)|なで仏とはどんな仏か|見分け方・ご利益・会える寺

賓頭盧尊者  / ビンズル

救済福徳 民間信仰

堂の外に置かれ、なでると体の悪いところが治るとされる羅漢。

賓頭盧とはどんな仏か

賓頭盧をひとことで言えばなで仏です。十六羅漢の筆頭に数えられます。

神通力をみだりに使って釈迦に叱られ、この世に留まって人を救うよう命じられたと伝えられます。悟りを得ながら涅槃に入らず、この世に残った者という位置づけです。

日本では、ほかの仏像には無い扱いを受けてきました。堂の外や縁側に置かれるのです。自分の体の悪いところと同じ場所をなでると治るという信仰が広まり、なで仏と呼ばれます。

そのため像の表面がすり減り、顔立ちが分からなくなっているものも少なくありません。触れることを前提に置かれている仏像は、ほかにほとんどありません。

賓頭盧の読み方と梵名

読みは「びんずる」です。

梵名ピンドーラを音で写したものです。後ろに続く「バーラドヴァージャ」は一族の名で、日本ではほとんど使われません。

「おびんずるさま」という呼び方が各地に残ります。仏像の名に「お」と「さま」が付く例は多くありません。それだけ暮らしに近い仏だということです。

賓頭盧(びんずる)

もっとも広く使われる形。

賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)

敬って呼ぶ形。

おびんずるさま(おびんずるさま)

親しんで呼ぶ形。

なで仏(なでぼとけ)

なでる習わしからの呼び名。

ピンドーラ・バーラドヴァージャ(Pindola Bharadvaja)

意味は「一族の名」。読みは「ぴんどーら・ばーらどう゛ぁーじゃ」。

賓頭盧の見分け方(印相・持ち物・姿)

堂の外や縁側に置かれ、表面がすり減っている。この二つがそろえば賓頭盧です。

置かれる場所 ─ 堂の外

本堂の外の縁側や、入口の脇に置かれます。厨子にも入らず、柵にも囲まれません。

これは触れることを前提にしているためです。ほかの仏像とは扱いがまったく違います。

仏像の置き場所そのものが、見分けの決め手になる珍しい例です。

姿 ─ 白い眉の老僧

長く垂れた白い眉が目印です。両手を膝に置いて座ります。

頭は丸め、袈裟をまといます。赤い衣を着せられていることが多く、頭巾や前掛けを掛けられている像もあります。

手に経巻を持つ作例もありますが、多くは膝に置いた形です。

表面 ─ すり減っている

長年なでられてきたため、顔や体の彫りが失われている像が少なくありません。

鼻や膝がとくにすり減っています。どこがよくなでられてきたかが、そのまま像に残ります。

新しく作られた像でも、数十年でつやが出てきます。

賓頭盧のご利益

病を癒す

なでた場所の不調が治るという信仰による。

体の痛みを退ける

同じ場所をなでる習わしによる。

長寿

この世に留まった羅漢とされることによる。

賓頭盧に会える寺

賓頭盧の像は、全国の寺の本堂の外に置かれています。数だけなら、もっとも身近な仏像のひとつです。

ただし国の指定を受けた古い像は多くありません。なでられ続けて傷むためです。

ここに挙げたのは、所有者が寺であることを文化庁の国指定文化財等データベースで確かめられたものだけです。指定を受けた像は、触れられないよう囲われている場合があります。

法金剛院(ほうこんごういん)

重要文化財

地図で開く

法金剛院の住所:京都府(文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確認。詳しい住所は公式の情報を確かめられませんでした)

像:木造僧形文殊坐像〈寺伝賓頭盧尊者像〉一躯/重要文化財

この像に結び付く願い:病を癒す

文化庁の国指定文化財等データベースの名称に、「寺伝賓頭盧尊者像」と添えられています。

指定名称は「僧形文殊坐像」です。寺に伝わってきた名と、調査で付けられた名が食い違っている例にあたります。

所有者は法金剛院と記されています。

寺伝と指定名称が違う珍しい例。

賓頭盧をめぐる仏のつながり

賓頭盧の位階と、似た仏との違い

賓頭盧は羅漢と高僧の組に置かれます。十六羅漢の筆頭です。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。賓頭盧はそのどれにも属さず、悟りを得た弟子すなわち羅漢にあたります。

十六羅漢のなかでは最初に挙げられます。位階でいえば如来や菩薩より下ですが、暮らしのなかでの近さでは並ぶものがありません。

十六羅漢 ─ 全体と筆頭

賓頭盧は十六羅漢の一人であり、その筆頭です。

見分けは置かれる場所です。十六羅漢は堂の中に十六躯並び、賓頭盧だけが外に出されることがあります。

達磨 ─ どちらも赤く彩られる老僧

どちらも老いた姿で、赤い衣を着せられることがあります。

見分けは手です。達磨は手を衣に隠し、賓頭盧は両手を膝に置きます。 達磨は衣を頭からかぶりますが、賓頭盧は頭を出します。

摩訶迦葉 ─ どちらも老僧

どちらも頬のこけた老僧に彫られます。

見分けは場所です。摩訶迦葉は本堂の中で釈迦如来の脇に立ち、賓頭盧は堂の外に座ります。 立つか座るかでも分かれます。

賓頭盧についてよくある質問

賓頭盧とはどんな仏ですか。

十六羅漢の筆頭に数えられる釈迦の弟子です。神通力をみだりに使って叱られ、この世に留まって人を救うよう命じられたと伝えられます。

賓頭盧の読み方は。

「びんずる」です。梵名ピンドーラを音で写したもので、「おびんずるさま」とも呼ばれます。

なぜ堂の外に置かれるのですか。

なでることを前提としているためです。自分の体の悪いところと同じ場所をなでると治るという信仰が広まり、触れられる場所に置かれてきました。

賓頭盧はどう見分けますか。

堂の外や縁側に置かれ、長く垂れた白い眉を持つ老僧の坐像です。なでられて表面がすり減っていることが多くあります。

賓頭盧の像はどこで見られますか。

全国の寺の本堂の外に置かれています。国の指定を受けたものでは、京都の法金剛院に寺伝で賓頭盧尊者像とされてきた重要文化財の坐像があります。

賓頭盧と併せて覚えたい言葉・用語

なで仏(なでぼとけ)

なでると病が治るとされる仏像。賓頭盧が代表。

十六羅漢(じゅうろくらかん)

この世に留まるよう命じられた十六人の弟子。

寺伝(じでん)

その寺に伝わってきた言い伝え。調査の結果と食い違うことがある。