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如来

薬師三尊(やくしさんぞん)|日光・月光とはどんな仏か|見分け方とご利益

薬師三尊  / ヤクシサンゾン

救済 奈良仏教

薬師如来を中心に、日光菩薩と月光菩薩が左右に立つ三体一組の形。

薬師三尊とはどんな仏か

薬師三尊をひとことで言えば薬師如来と昼夜の光です。まん中に薬師如来を置き、左右に日光菩薩と月光菩薩を配します。

薬師如来は、病を癒やし、この世での苦しみを取り除く仏とされます。阿弥陀如来が死んだ後の世を受け持つのに対し、薬師如来は生きているあいだを受け持つ仏として、対に語られてきました。

二人の脇侍は、昼の光と夜の光を表します。日の照らさない時間にも、月が代わって照らすという組み立てで、絶え間なく照らしつづけることを二体で示しています。

薬師如来は日本でもっとも早くから作られた仏のひとつで、奈良時代の大寺にも古い三尊が伝わります。

薬師三尊の読み方と梵名

読みは「やくしさんぞん」です。

中尊の名は梵名バイシャジヤグルを意味で訳したもので、「薬の師」を指します。医師そのものではなく、教えによって苦しみを治す者という意味に解かれます。

脇侍の日光・月光は「にっこう」「がっこう」と読みます。「げっこう」と読まないのが習わしです。

薬師三尊(やくしさんぞん)

もっとも広く使われる形。

薬師如来及両脇侍(やくしにょらいおよびりょうきょうじ)

文化財の指定名称に近い言い方。

薬師瑠璃光三尊(やくしるりこうさんぞん)

経典の名を添えた形。

バイシャジヤグル(Bhaisajyaguru)

意味は「薬の師」。中尊である薬師如来の梵名。読みは「ばいしゃじやぐる」。

薬師三尊の見分け方(印相・持ち物・姿)

中尊の左手に薬壺がのっていれば薬師三尊です。 これがいちばん確かな決め手になります。

中尊 ─ 左手の薬壺

薬師如来は左手を膝の上に置き、その掌に薬壺をのせます。蓋のついた小さな壺です。

右手は胸のあたりに上げ、掌を前に向けて恐れを取り除く印を結ぶのがふつうです。

ただし奈良時代までの古い像には壺を持たないものがあります。壺が無いからといって薬師如来でないとはかぎりません。

脇侍 ─ 日輪と月輪

日光菩薩と月光菩薩は、姿がよく似ています。冠や手にした持ち物に、日輪と月輪をあしらって区別します。

目印が失われた像では、どちらがどちらか決められないことがあります。 向かって右が日光、左が月光という並びが一般的ですが、絶対ではありません。

台座や光背に名が記されていれば、それが確実です。

取り巻き ─ 十二神将

薬師三尊の周りには、十二神将が配されることがあります。甲を着けた十二体の武神です。

薬師如来の十二の願いを守る役目とされ、三尊と合わせて十五体で堂を構える形になります。

三尊だけの堂もあれば、十二神将を伴う堂もあります。伴っていれば、その堂が薬師の信仰を厚く受け継いできたしるしと読めます。

数を増やす形 ─ 七仏薬師

薬師如来を七体並べる七仏薬師という形もあります。三尊とは別の組み立てです。

千葉県の松虫寺には、坐像と立像からなる七仏薬師の像が重要文化財として伝わります。

七体の薬師と、三体の三尊は混同されやすいので、堂に何体並んでいるかをまず数えるのが確実です。

薬師三尊のご利益

病を癒やす

薬師如来が病を除くと説かれることによる。

目の健やかさ

日光・月光の二体が照らすとされることによる。

苦しみを除く

生きているあいだを受け持つ仏とされることによる。

身を守る

十二神将を従えることによる。

薬師三尊に会える寺

薬師三尊は各地の寺にありますが、ここに挙げたのは文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確かめられたものだけです。

石造浮彫伝薬師三尊像は、所有者が寺ではなく地区にあたります。堂に安置された仏像とは、会いに行くときの勝手がまるで違います。

千葉県の松虫寺には七仏薬師の像が重要文化財として伝わりますが、これは薬師如来を七体並べたもので、三尊とは別のまとまりです。

忍阪区(おっさかく)

重要文化財

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忍阪区の住所:奈良県(文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確認。詳しい住所は公式の情報を確かめられませんでした)

像:石造浮彫伝薬師三尊像 一面/重要文化財

この像に結び付く願い:病を癒やす

石の板に三尊を浮き彫りにした古い形の像で、一面で重要文化財に指定されています。

所有者は寺ではなく、奈良県の忍阪という地区です。 文化庁の国指定文化財等データベースにも、所有者は忍阪区と記されています。

指定名称に「伝」の字が入っているとおり、薬師三尊であるかどうかは確かめられていません。拝観できるかどうかは、公式の情報を確かめられませんでした。

所有者が寺ではない例にあたる。

薬師三尊をめぐる仏のつながり

薬師三尊の位階と、似た仏との違い

薬師三尊の中尊は如来の位に置かれます。両脇の二体は菩薩です。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。薬師三尊は、如来と菩薩を組み合わせた形です。

薬師如来は如来のなかでも、持ち物を持つ数少ない例にあたります。如来は本来なにも持たないという決まりからは外れた仏です。

阿弥陀三尊 ─ 受け持つ時が違う

どちらも如来を中尊とする三尊です。薬師如来は生きているあいだ、阿弥陀如来は亡くなった後を受け持つと語り分けられてきました。

像では左手を見ます。薬壺がのっていれば薬師三尊、何も持たなければ阿弥陀三尊です。

日光菩薩 ─ 脇侍としての役

日光菩薩は薬師三尊の脇侍として作られるのがほとんどで、単独の像は多くありません。

冠や持ち物の日輪が唯一の目印です。月光菩薩と姿がほぼ同じなので、二体を並べて置くのが決まりに近い形になっています。

十二神将 ─ 三尊を取り巻く

十二神将は薬師三尊の周りに配される武神です。三尊の一員ではありません。

見分けはすぐつきます。甲を着け、武器を持ち、忿怒の顔をしているのが十二神将で、三尊はいずれも静かな顔です。

薬師三尊についてよくある質問

薬師三尊とは何ですか。

薬師如来をまん中に置き、左右に日光菩薩と月光菩薩を配した三体一組の形です。昼と夜の光が絶え間なく照らすことを表します。

薬師三尊はどう見分けますか。

中尊の左手に薬壺がのっていれば薬師三尊です。ただし奈良時代までの古い像には壺を持たないものもあります。

日光菩薩と月光菩薩の見分けは。

冠や持ち物にあしらわれた日輪と月輪で分けます。目印が失われている像では判じられないことがあります。

七仏薬師と薬師三尊は同じものですか。

別のものです。七仏薬師は薬師如来を七体並べた形で、三尊は薬師如来と二人の脇侍の三体です。

薬師三尊の像はどこで見られますか。

奈良県の忍阪区が持つ石造浮彫伝薬師三尊像が重要文化財に指定されています。所有者が寺ではないため、拝観の可否は確かめられませんでした。

薬師三尊と併せて覚えたい言葉・用語

薬壺(やっこ)

薬師如来が左手にのせる蓋つきの壺。

日輪(にちりん)

太陽をかたどった円い意匠。日光菩薩の目印になる。

浮彫(うきぼり)

平らな面から像を浮き上がらせて彫る技法。

十二神将(じゅうにしんしょう)

薬師如来を守る十二体の武神。