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菩薩

日光菩薩(にっこうぼさつ)とはどんな仏か|見分け方・ご利益・会える寺

日光遍照菩薩  / ニッコウボサツ

救済 奈良仏教

薬師如来の左にひかえ、日の光で昼を照らす菩薩。

日光菩薩とはどんな仏か

日光菩薩をひとことで言えば薬師如来の昼担当です。月光菩薩と二体で、薬師如来の脇にひかえます。

正式には日光遍照菩薩といいます。「遍照」はあまねく照らすという意味です。日の光がどこにでも届くように、薬師如来の癒しの働きを世に行きわたらせる役目を負います。

薬師如来を中心に、日光・月光の二体が左右に立ち、その周囲を十二神将が囲む。この配置がひとまとまりで一つの世界を表しており、日光菩薩だけを取り出して祀ることはほとんどありません。

日光菩薩と月光菩薩は、生い立ちについての伝えを持ちません。経典にも、どこで生まれ何をしたという物語はほとんど出てきません。役目だけがあって物語が無い菩薩だといえます。

そのため像も、薬師三尊の一部として造られるのがほとんどです。単独で重要文化財に指定された例は、片方を失って残った像に限られます。

日光菩薩の読み方と梵名

読みは「にっこうぼさつ」です。栃木の日光と同じ字を書きます。

名は梵名スーリヤプラバを意味で訳したものです。「スーリヤ」が太陽、「プラバ」が光を指します。

なお十二天のひとつに日天があり、こちらも太陽を表します。日光菩薩は薬師如来の脇侍、日天は方角を守る天部で、位階も役目も別のものです。

日光菩薩(にっこうぼさつ)

もっとも広く使われる形。

日光遍照菩薩(にっこうへんじょうぼさつ)

正式な形。

日曜菩薩(にちようぼさつ)

古い訳に見える形。

薬師三尊(やくしさんぞん)

薬師如来と日光・月光の三体を指す呼び方。

スーリヤプラバ(Suryaprabha)

意味は「日の光」。「スーリヤ」が太陽、「プラバ」が光を指す。読みは「すーりやぷらば」。

日光菩薩の見分け方(印相・持ち物・姿)

日光菩薩と月光菩薩は、姿がほとんど同じに造られます。見分けは手か冠にある丸い盤にかかっています。

持ち物 ─ 日輪を掲げる

手のひらに載せるか、蓮華の上に置く形で、日輪という丸い盤を掲げます。

日輪は太陽をかたどったもので、赤く塗られ、中に三本足の烏を描くことがあります。中国で太陽に住むとされた烏です。

月光菩薩の月輪と形がよく似ています。 色が落ちた像では区別がつかず、二体そろっていなければ、どちらが日光か判じられないことも珍しくありません。

宝冠 ─ 正面に日輪を戴く

手に持たない代わりに、宝冠の正面に日輪を戴く作例も多くあります。

観音菩薩が冠に小さな阿弥陀如来を戴き、勢至菩薩が水瓶を戴くのと同じ考え方です。冠の飾りがその菩薩の名を示します。

冠の飾りが失われている像では、立つ位置で判じるほかありません。

立ち位置 ─ 向かって右か左か

薬師三尊では、中尊から見て左が日光菩薩、右が月光菩薩とするのが基本です。参拝する側から見ると、向かって右が日光になります。

ただしこの配置は作例によって入れ替わることがあり、絶対の決まりではありません。

寺の案内板に「向かって右が日光菩薩」と書かれていても、日輪と月輪を確かめるのが確実です。

姿勢 ─ 体を軽くひねる

薬師如来がまっすぐ正面を向いて座るのに対し、脇侍の二体は体を軽くひねって中尊のほうへ向く姿勢をとることが多くあります。

腰を少し外へ突き出し、上体を内へ傾けるこの姿勢を三曲法といいます。三尊が一つのまとまりに見える効果があります。

装身具は菩薩の決まりに従い、宝冠・瓔珞・条帛を着けます。

日光菩薩のご利益

病気平癒

薬師如来の働きを助けることによる。

眼病平癒

光を受け持つことにちなむ。

厄除け

日の光が闇を払うことにたとえられる。

家内安全

薬師三尊の一員として祈られる。

日光菩薩に会える寺

日光菩薩は、薬師三尊の一員として会うのがふつうです。薬師如来を本尊とする堂であれば、両脇にこの二体が立っています。

ここに挙げたのは、所有者が寺であることを文化庁の国指定文化財等データベースで確かめられたものだけです。

なお東京には重要文化財の乾漆造日光菩薩半跏像がありますが、所有者は独立行政法人国立文化財機構であり寺ではないため、この欄には入れていません。福岡にも重要文化財の立像がありますが、所有者は市であり寺ではありません。

法隆寺(ほうりゅうじ)

重要文化財

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法隆寺の住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1

像:木造日光月光菩薩立像 二躯/重要文化財

この像に結び付く願い:病気平癒

日光菩薩と月光菩薩が二躯そろって伝わります。

文化庁の国指定文化財等データベースでは、二躯ひとまとまりで重要文化財に登録され、所有者は法隆寺と記されています。

同じ寺には観音・勢至の乾漆立像もあり、脇侍の組み合わせを二種類、同じ境内で見比べられます。

同じ寺には国宝の毘沙門天立像・吉祥天立像もある。

観道寺(かんどうじ)

重要文化財

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観道寺の住所:滋賀県(文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確認。詳しい住所は公式の情報を確かめられませんでした)

像:木造日光菩薩立像・木造月光菩薩立像 二躯/重要文化財

この像に結び付く願い:眼病平癒

文化庁の国指定文化財等データベースで、所有者が観道寺と記されています。

日光と月光がそれぞれ別の名で登録されており、二躯そろって重要文化財に指定されています。

拝観の可否は寺に確かめる必要があります。

所有者は文化庁の国指定文化財等データベースで確認した。

蓮徳寺(れんとくじ)

重要文化財

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蓮徳寺の住所:三重県(文化庁の国指定文化財等データベースで所有者を確認。詳しい住所は公式の情報を確かめられませんでした)

像:木造日光月光菩薩立像 二躯/重要文化財

この像に結び付く願い:厄除け

文化庁の国指定文化財等データベースで、所有者が蓮徳寺と記されています。

日光と月光をひとまとまりの名称で登録した例です。二体で一組という扱いが、そのまま名称に表れています。

拝観の可否は寺に確かめる必要があります。

所有者は文化庁の国指定文化財等データベースで確認した。

日光菩薩をめぐる仏のつながり

日光菩薩の位階と、似た仏との違い

日光菩薩は菩薩の位に置かれます。薬師如来の脇侍を務める二体のうちの一体です。

仏には如来・菩薩・明王・天部という四つの位階があります。日光菩薩は菩薩です。

菩薩のなかでは、脇侍を本領とする菩薩にあたります。観音菩薩や地蔵菩薩のように単独で信仰されることはほとんどなく、薬師如来の傍らにいる姿が本来の位置です。

同じ性格の菩薩に、阿弥陀如来に仕える勢至菩薩があります。

月光菩薩 ─ 日輪か月輪か

対になる相手です。手か冠にある丸い盤が日輪なら日光菩薩、月輪なら月光菩薩です。

日輪は赤く塗られ、中に三本足の烏を描くことがあります。月輪は白く塗られ、中に兎や蟇を描くことがあります。

色や絵が失われた像では区別がつきません。二体そろっているときは、立つ位置も手がかりになります。

勢至菩薩 ─ 脇侍どうし

どちらも如来の脇侍を務める菩薩です。仕える相手が違います。

日光菩薩は薬師如来、勢至菩薩は阿弥陀如来の脇にひかえます。

見分けは冠です。勢至菩薩は水瓶を戴きます。日光菩薩は日輪を戴きます。

虚空蔵菩薩 ─ 五体一組との違い

虚空蔵菩薩は、五体一組で造られることがあります。五大虚空蔵といいます。

日光菩薩は二体一組で、五体になることはありません。組み合わせの数が違います。

見分けは持ち物です。虚空蔵菩薩は剣と宝珠を握ります。日光菩薩は日輪を掲げます。

日光菩薩についてよくある質問

日光菩薩はどんな仏ですか。

薬師如来の脇にひかえる菩薩です。月光菩薩と二体で対をなし、日の光で昼を照らして薬師如来の働きを世に行きわたらせるとされます。

日光菩薩と月光菩薩はどう見分けますか。

手か冠にある丸い盤を見ます。赤い日輪なら日光菩薩、白い月輪なら月光菩薩です。色が落ちた像では区別が難しくなります。

日光菩薩はどちら側に立ちますか。

中尊から見て左、参拝する側から見て右に立つのが基本です。ただし作例によって入れ替わることがあります。

日光菩薩のご利益は何ですか。

病気平癒が中心です。薬師如来の働きを助ける役目によるもので、眼病平癒や厄除けにも祈られます。

日光菩薩の像はどこで見られますか。

奈良の法隆寺、滋賀の観道寺、三重の蓮徳寺に、寺が所有する重要文化財の像があります。

日光菩薩と併せて覚えたい言葉・用語

日輪(にちりん)

太陽をかたどった丸い盤。日光菩薩が手や冠に戴く。

薬師三尊(やくしさんぞん)

薬師如来と日光菩薩・月光菩薩の三体一組。

遍照(へんじょう)

あまねく照らすこと。日光遍照菩薩の名に含まれる。

三曲法(さんくっぽう)

腰と上体をひねって立つ姿勢。脇侍の像に多い。