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仏像のご利益一覧|どんなときに、どの仏に手を合わせるか

どんなときに、どの仏に手を合わせるのか。

仏像を前にして最初に浮かぶのは、たいていこの問いでしょう。

病のときは薬師如来。亡くなった人を送るときは阿弥陀如来。

受け持ちは位階と関係なく割り当てられています。如来にも、菩薩にも、明王にもいます。同じ「救う」でも、いつ、どこで、誰を救うのかが一体ずつ違います。

このページでは、収録している救いの仏を横に並べて見わたします。

ご利益で仏を選ぶということ 4体

救いを受け持つ仏は、受け持つ場面で分かれています。

生きているあいだ ─ 薬師如来(病)、観音菩薩(困りごと)
死ぬとき ─ 阿弥陀如来(迎えに来る)
死んだあと ─ 地蔵菩薩(地獄まで降りる)

ここは誤解されやすいところです。 ご利益は「その仏が何でも叶える力の強さ」ではなく、「どの場面を受け持っているか」の話として説かれます。

だから強い仏を選ぶのではなく、

いま自分がどの場面にいるかで、手を合わせる相手が決まる。

この考え方が分かると、寺で並んでいる仏の顔ぶれの意味も見えてきます。

病を癒す仏|薬師如来と、薬を受け持つ菩薩 6体

薬師如来は、東方の浄土にいて病と苦しみを取り除くと誓った仏です。

現世で助けると誓った、数少ない如来。

多くの如来が死後や悟りを受け持つなかで、この仏だけが生きているあいだの苦しみを名指しします。手に薬壺を持つ姿が見分けの決め手です。

左右にひかえるのが日光菩薩と月光菩薩。日の光で昼を、月の光で夜を照らします。

昼も夜も、途切れずに照らす。

薬王菩薩は薬を施し、自らの身を燃やして供養したと説かれます。弟の薬上菩薩も、兄とともに良薬を施したと伝わります。

楊柳観音は柳の枝を手にし、病を払うとされる観音です。柳は薬に用いられてきた木で、持ち物がそのまま受け持ちを示しています。

亡くなったあとを受け持つ仏|阿弥陀如来の来迎 3体

阿弥陀如来は西方の極楽浄土にいて、念仏を称える者を迎えに来る仏です。

南無阿弥陀仏と称える者を、ひとり残らず救うと誓った。

日本でもっとも数多く造られた如来で、救われる条件が「称えること」だけという点が、広く行きわたった理由として挙げられます。

迎えに来る場面を来迎(らいごう)といいます。両脇に観音菩薩と勢至菩薩を従えた三体の組み合わせが阿弥陀三尊です。

二体は姿がよく似ていて見分けにくいのですが、決め手があります。

死者を乗せる蓮台を捧げているのが観音、手を合わせているのが勢至。

涅槃仏は、釈迦がこの世を去るときの姿を横たわる形で表した像です。寝釈迦ともいいます。死そのものを像にした、めずらしい形です。

地獄まで降りる仏|地蔵菩薩と、仏のいない時代 2体

地蔵菩薩が道ばたにこれだけ立っているのには、理由があります。

釈迦が世を去ってから弥勒が現れるまで、この世に仏がいない。

その空白のあいだを受け持つのが地蔵菩薩とされます。だから僧の姿をして、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道すべてに身を分けて出向きます。

六体そろって立つ六地蔵は、この六道を一体ずつ受け持つ形です。

地獄まで降りて救う。

如来ではなく菩薩のままでいるのは、全員を救い終えるまで仏にならないと誓ったためと説かれます。

弥勒菩薩は、

五十六億七千万年後に現れて人を救うと約束された、次の仏。

頬に指を当てて考えこむ姿でよく知られます。その長さは、地蔵菩薩の受け持ちの長さでもあります。

声を聞きつける仏|観音がこれだけ多い理由 11体

観音菩薩は、救いを求める声を聞きつけ、相手に応じて姿を変える菩薩です。

姿が決まっていないことが、この仏の性質そのもの。

観音の種類がこれだけ多いのは、変化した姿を一体ずつ像にしてきたからです。

聖観音が、顔が一つ・腕が二本のもとの姿にあたります。そこから、

十一面観音 ─ 頭上に十一の顔。あらゆる方角を見わたす
千手観音 ─ 千の手と千の眼で、漏らさず救う
不空羂索観音 ─ 投げ縄で、誰ひとり取り逃がさない
如意輪観音 ─ 願いをかなえる珠を持ち、考えこむ
准胝観音 ─ 仏を生む母。三つの目と十八本の腕

足りないものを増やすという同じ発想が、顔にも腕にも道具にも当てられています。

馬頭観音だけは怒りの顔をし、白衣観音は水墨画の題材として広まりました。魚籃観音は中国の説話から生まれた姿、多羅菩薩は観音の涙から生まれたとされます。

智慧と学びをさずける仏 6体

受け持つものは、病や死だけではありません。

文殊菩薩は知恵を司り、獅子に乗って剣と経巻を持ちます。「三人寄れば文殊の知恵」の文殊です。

普賢菩薩は白い象に乗り、行いを積み重ねることを受け持ちます。

文殊が知ること、普賢が行うこと。

二体で釈迦の両脇に立ち、知と行を分け合う組み合わせになっています。

虚空蔵菩薩は、果てしない空のような蔵に智慧と福徳を蓄える菩薩です。記憶力を求める修行の本尊として知られます。

善財童子は、五十三人の師を訪ね歩いた求道の少年です。

学ぶ側が像になっている、めずらしい例。

大随求菩薩は「求めるままに願いをかなえる」という名を持ち、普賢延命菩薩は寿命を延ばす働きに絞った密教の普賢菩薩です。

悟りそのものを表す仏|如来がこれだけいる理由 11体

釈迦如来は、実在した人物を仏の姿にうつしたもので、仏像のはじまりにあたります。

ところが如来は一体ではありません。

毘盧遮那仏 ─ 光をあまねく照らす。奈良の大仏がこの仏
大日如来 ─ 宇宙そのもの。密教でいちばん上に置かれる
阿閦如来 ─ 怒らないと誓って東方に浄土をひらいた
宝生如来 ─ 宝を生み出す。金剛界の南方
不空成就如来 ─ むなしく終わらせない。金剛界の北方

大日如来を中心に五つの智慧を五体に分けたのが五智如来で、五体で一組の考え方です。

多宝如来は、法華経の説法を証明するため塔とともに地から現れた過去の仏。金剛薩埵は、大日如来から密教の教えを直に受け取った最初の弟子です。

孔雀明王は、明王でただひとつ怒らない顔をします。 孔雀に乗り、毒を食う鳥にちなんで害を取り除くことを受け持ちます。

八大菩薩は、八体一組で如来を囲む菩薩たちです。

法要ごとに受け持つ十三の仏 13体

「どの仏に手を合わせるか」に、日付で答える枠組みがあります。十三仏です。

初七日から三十三回忌まで、法要の日ごとに受け持つ仏が決まっている。

もとは中国生まれの十王が初七日から三回忌までを裁く形でした。日本ではこれに三体を加えて十三とし、七回忌・十三回忌・三十三回忌まで受け持たせています。

十王が中国生まれ、十三仏が日本生まれ。

割り当ては次のように伝わります。

初七日=不動明王/二七日=釈迦如来/三七日=文殊菩薩/四七日=普賢菩薩
五七日=地蔵菩薩/六七日=弥勒菩薩/七七日(四十九日)=薬師如来
百か日=観音菩薩/一周忌=勢至菩薩/三回忌=阿弥陀如来
七回忌=阿閦如来/十三回忌=大日如来/三十三回忌=虚空蔵菩薩

経典に定められたものではありません。 日本で組み立てられた枠組みで、宗派によって扱いが違います。十三体はすべてこの図鑑に収めています。

救いの仏を受け持ちごとに並べる

どんなときに手を合わせるかで並べます。

こんなとき仏見分けの決め手受け持つもの
病のとき薬師如来手に薬壺現世の病と苦しみ
人を送るとき阿弥陀如来輪をつくる手の形極楽へ迎えに来る
法要のとき十三仏日付ごとに替わる初七日から三十三回忌
困りごと観音菩薩相手に応じて姿を変える声を聞きつける
亡き人の行く先地蔵菩薩僧の姿。錫杖と宝珠地獄まで降りる
学びのとき文殊菩薩獅子に乗り、剣と経巻知ること
行いを積むとき普賢菩薩白い象に乗る行うこと
災いを除くとき孔雀明王明王で唯一、怒らない毒と害を取り除く

並べると、ご利益は仏の強さではなく受け持ちの違いだと分かります。

どの仏が一番えらいか、ではない。いま自分がどの場面にいるか。

病のときに阿弥陀如来へ願っても筋が違い、人を送るときに薬師如来では場面が合いません。持ち物や手の形が受け持ちを示しているのは、そのためです。

もうひとつ、救いの仏には「取りこぼさない」という言い方が繰り返し現れます。

千の手と千の眼で漏らさず救う。投げ縄で誰ひとり取り逃がさない。
念仏を称える者をひとり残らず救う。全員を救い終えるまで仏にならない。

千手観音、不空羂索観音、阿弥陀如来、地蔵菩薩。表現は違っても、言っていることは同じです。

救いの仏がこれだけ増えたのは、力を足したかったからではなく、受け持たれていない場面を埋めていった結果だと読めます。

仏像のご利益についてよくある質問

病気平癒はどの仏に手を合わせればよいですか。

薬師如来です。東方の浄土にいて、病と苦しみを取り除くと誓った仏で、手に薬壺を持つ姿が見分けの決め手です。両脇の日光菩薩と月光菩薩、薬を施した薬王菩薩と薬上菩薩、柳の枝を持つ楊柳観音も病にかかわります。

亡くなった人を送るときはどの仏ですか。

阿弥陀如来です。西方の極楽浄土にいて、念仏を称える者を迎えに来ると誓った仏です。迎えに来る場面を来迎といい、観音菩薩と勢至菩薩を従えた三体を阿弥陀三尊といいます。

十三仏とは何ですか。

初七日から三十三回忌まで、法要の日ごとに受け持つ仏を定めた枠組みです。中国生まれの十王が初七日から三回忌までを裁く形に、日本で三体を加えて十三としました。経典に定められたものではなく、宗派によって扱いが違います。

なぜ観音菩薩には種類がたくさんあるのですか。

救いを求める声を聞きつけ、相手に応じて姿を変える菩薩だからです。変化した姿を一体ずつ像にしてきた結果、聖観音を元の姿として、十一面観音、千手観音、如意輪観音、不空羂索観音、准胝観音などが生まれました。

お地蔵さんが道ばたに多いのはなぜですか。

釈迦が世を去ってから弥勒菩薩が現れるまで、この世に仏がいない期間を受け持つとされるためです。僧の姿で地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道すべてに身を分けて出向き、六体そろう六地蔵はその六道を一体ずつ受け持つ形です。

ご利益の強い仏はどれですか。

強さで比べるものではないと説かれます。ご利益はどの場面を受け持っているかの違いで、病なら薬師如来、人を送るなら阿弥陀如来というように、いま自分がどの場面にいるかで手を合わせる相手が決まります。

救済の仏の一覧(収録しているすべての仏像) 101体

本文で取り上げなかったものも含めて、この役割に属する仏像をすべて並べています。名前を押すと個別ページへ移ります。

七仏薬師

SHICHIBUTSUYAKUSHI 守護 救済 如来

三十三応現身

SANJUSANOGENSHIN 救済 菩薩

不空成就如来

FUKUJOJUNYORAI 守護 救済 如来

不空羂索観音

FUKUKENJAKUKANNON 救済 菩薩

世自在王仏

SEJIZAIOBUTSU 救済 如来

五大菩薩

GODAIBOSATSU 救済 菩薩

五智如来

GOCHINYORAI 救済 如来
よく知られた仏

五百羅漢

GOHYAKURAKAN 救済 羅漢と高僧

仏眼仏母

BUTSUGENBUTSUMO 守護 救済 如来

佐貫石仏

SANUKISEKIBUTSU 救済 如来

兜率天

TOSOTSUTEN 救済 天部

八大菩薩

HACHIDAIBOSATSU 救済 菩薩

六地蔵塔

ROKUJIZOTO 救済 菩薩

准胝観音

JUNTEIKANNON 救済 菩薩

勢至菩薩

SEISHIBOSATSU 救済 菩薩

医王権現

IOGONGEN 救済 権現・習合尊

十一面観音

JUICHIMENKANNON 救済 菩薩
よく知られた仏

十大弟子

JUDAIDESHI 救済 羅漢と高僧
よく知られた仏

千手観音

SENJUKANNON 救済 菩薩

善女竜王

ZENNYORYUO 救済 天部

善財童子

ZENZAIDOJI 救済 菩薩

四菩薩

SHIBOSATSU 救済 菩薩

地涌の菩薩

JIYUNOBOSATSU 救済 菩薩
よく知られた仏

地蔵菩薩

JIZOBOSATSU 救済 菩薩

多宝如来

TAHONYORAI 守護 救済 如来

多羅菩薩

TARABOSATSU 救済 菩薩

大岩磨崖仏

OIWAMAGAIBUTSU 救済 如来
よく知られた仏

大日如来

DAINICHINYORAI 救済 如来

大迫磨崖仏

OSAKOMAGAIBUTSU 救済 如来

大通智勝如来

DAITSUCHISHONYORAI 救済 如来

大随求菩薩

DAIZUIGUBOSATSU 救済 福徳 菩薩

天王如来

TENNOUNYORAI 救済 如来

天鼓雷音如来

TENKURAIONNYORAI 救済 如来

如意輪観音

NYOIRINKANNON 救済 福徳 菩薩

婆藪仙

BASUSEN 救済 天部

孔雀明王

KUJAKUMYOO 守護 救済 明王

宝幢如来

HODONYORAI 救済 如来

宝生如来

HOSHONYORAI 救済 福徳 如来

富楼那

FURUNA 救済 羅漢と高僧

尊勝仏頂

SONSHOBUCCHO 守護 救済 如来

岩殿観音

IWADONOKANNON 救済 菩薩

常不軽菩薩

JOFUKYOBOSATSU 救済 菩薩

廻り地蔵

MAWARIJIZO 救済 菩薩

弥八地蔵

YAHACHIJIZO 救済 菩薩
よく知られた仏

弥勒菩薩

MIROKUBOSATSU 救済 菩薩
よく知られた仏

弥勒菩薩半跏思惟像

MIROKUBOSATSUHANKASHIYUIZO 救済 菩薩

持金剛仏

JIKONGOBUTSU 守護 救済 如来

摩耶夫人

MAYABUNIN 救済 羅漢と高僧

摩訶迦葉

MAKAKASHO 救済 羅漢と高僧
よく知られた仏

救世観音

GUZEKANNON 救済 菩薩

文殊菩薩

MONJUBOSATSU 救済 菩薩

於竹大日如来

OTAKEDAINICHINYORAI 救済 福徳 如来

日光菩薩

NIKKOBOSATSU 救済 菩薩

日限地蔵

HIGIRIJIZO 救済 菩薩

明星天

MYOJOTEN 救済 天部

普明王

FUMYOO 守護 救済 明王

普賢延命菩薩

FUGENENMEIBOSATSU 救済 福徳 菩薩

普賢菩薩

FUGENBOSATSU 救済 菩薩

智明権現

CHIMYOGONGEN 救済 権現・習合尊

月光菩薩

GAKKOBOSATSU 救済 菩薩

楊柳観音

YORYUKANNON 救済 菩薩

毘盧遮那仏

BIRUSHANABUTSU 救済 如来

法身普賢

HOSSHINFUGEN 救済 菩薩

涅槃仏

NEHANBUTSU 救済 如来

渡海文殊

TOKAIMONJU 救済 菩薩

燃燈仏

NENTOBUTSU 救済 如来

白衣観音

BYAKUEKANNON 救済 菩薩

目連

MOKUREN 救済 羅漢と高僧

立山権現

TATEYAMAGONGEN 守護 救済 権現・習合尊

立木観音

TACHIKIKANNON 救済 菩薩

維摩居士

YUIMAKOJI 救済 羅漢と高僧

羅睺羅

RAGORA 救済 羅漢と高僧
よく知られた仏

聖観音

SHOKANNON 救済 菩薩

肉身菩薩

NIKUSHINBOSATSU 救済 菩薩

胎蔵界五仏

TAIZOKAIGOBUTSU 救済 如来

腰巻地蔵

KOSHIMAKIJIZO 救済 菩薩

舎利弗

SHARIHOTSU 救済 羅漢と高僧

薬上菩薩

YAKUJOBOSATSU 救済 菩薩
よく知られた仏

薬師三尊

YAKUSHISANZON 救済 如来
よく知られた仏

薬師如来

YAKUSHINYORAI 救済 如来

薬王菩薩

YAKUOBOSATSU 救済 菩薩

虚空蔵菩薩

KOKUZOBOSATSU 救済 福徳 菩薩

蛸薬師

TAKOYAKUSHI 救済 如来
よく知られた仏

観音菩薩

KANNONBOSATSU 救済 菩薩

賓頭盧

BINZURU 救済 福徳 羅漢と高僧

過去七仏

KAKOSHICHIBUTSU 救済 如来
よく知られた仏

達磨

DARUMA 救済 羅漢と高僧
よく知られた仏

釈迦如来

SHAKANYORAI 救済 如来

金剛薩埵

KONGOSATTA 守護 救済 菩薩

金喬覚

KINKYOKAKU 救済 羅漢と高僧

開敷華王如来

KAIFUKEONYORAI 救済 如来
よく知られた仏

阿弥陀三尊

AMIDASANZON 救済 如来
よく知られた仏

阿弥陀如来

AMIDANYORAI 救済 如来

阿那律

ANARITSU 救済 羅漢と高僧

阿閦如来

ASHUKUNYORAI 守護 救済 如来

阿難

ANAN 救済 羅漢と高僧

須菩提

SHUBODAI 救済 羅漢と高僧

飛天

HITEN 救済 天部

馬頭観音

BATOKANNON 忿怒 救済 菩薩

魚籃観音

GYORANKANNON 救済 菩薩

龍樹

RYUJU 救済 羅漢と高僧

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